初秋*すき、きらい。

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「もう一回観るんなら、あたし帰るから!」 色んなイライラが重なって、あたしはベッドから立った。 この時点で、夕食にお呼ばれしたことはすっかり頭から抜けていた。 「じゃあね――!?」 一歩足を踏み出すと、後ろから思い切り腕を引かれた。 ドタッと音を立て、しりもちをつく。 「い、いた……?」 何が起きたか分からず、語尾に疑問符を付けてしまう。 「あ、……わり」 無意識の行動だったのか、律ちゃんはハッとした表情で手を離した。 そして、言葉を選ぶように目をキョロキョロさせて、 「分かった。映画は観ないから……」 「……から?」 「まだ……居れば?」 言うこと曖昧。
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