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雪に包まれた街の、小さな通り。
そこに横たわる、人の形をした黒い物体。
形は人だが、周囲に火の元が存在しない。つまり、ここにあるのは焼死体である訳がない。
――そう認識した街の人は、私の死体を、誰かが作った悪趣味なオブジェだと決めつけた。
そして、そんな不気味な物があると大いに邪魔なので、オブジェを叩き潰して粉末状にすると、ホウキとチリトリで集めて、ゴミ袋に入れて棄てた。
――それで、私という存在はホコリ同然の価値となり、人々の記憶から消えた。
……私の身を案じてくれる人など、この世界には誰一人存在しなかった。
――――FIN.
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