4人が本棚に入れています
本棚に追加
「……お母様。わたしは今、優しくない人に傷つけられています」
でも、肝心の頼るべき人が、死んでしまった。
わたしはたった一人取り残され、『灰かぶり』として生きている。
――でも。
いずれは家を出て、わたしは灰かぶりじゃない生活に戻る。
贅沢なんて、わたしにはいらない。
ただ昔みたいに、愛する人が傍にいて。
ただ静かに、一日を終えることが出来たのなら、それで……。
「……お母、様……」
脳裏にお母様を描くと、不思議な温もりに包まれる。
わたしは、そこでやっと寝付く事が出来た。
……明日も早い。
朝から掃除して、洗濯して、お皿を洗って――
硬い床の上では、疲れはあまり取れないけれど……。
「すぅ……」
……お母様の夢に抱かれて、わたしは心地良く眠ることが出来た。
最初のコメントを投稿しよう!