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「光太郎、転校生まだ来ないの?」
夕ごはんの支度をしているお母さんが、振り返りながら聞いてきた。
だめだよ、包丁で指切るから、前向いてなきゃ。
「うーん、なんかね、曖昧なんだよ。まあ実際そんなものなんだろうけど、なんかなぁ…」
あれ。かっつんじゃないんだから。
「楽しみね」
お母さんはもう前を向いていた。
「まあ、来たらちゃんと遊んで、友達になるよ」
我ながら、上からだなあ。
「光太郎がいじめられたりして」
え?なにそれお母さん。
「まさかぁ」
「そう?楽しみ」
お母さんは、時々怖くなる。
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