僕と彼

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まさか、この僕が音楽の道へと導かれていくだなんてまるで思ってもいなかった。 彼がやってきたのは二年になって1学期も中盤にさしかかり皆がまだすこし遠い夏を意識し始めた頃だった。 「今日は皆さんにご紹介したい新たな仲間が来ました。どうぞ入ってきてください。」と先生が言うと 皆の視線が入口に集まっていた。どうせ転校生が来ても関わりはまずないから興味はないのだが、それにつられてタカトも目をやる。 ガラガラガラ… と戸を開けてやってきたのは顔の整ったまさにイケメンという言葉がぴったりなやつだった。 思ってもいなかった人物の登場に教室のやつらはやたらとざわつき始めた。 「では、神田くん自己紹介をお願いします。」 だが、転校生の次の言葉を聞いた誰もが自らの耳を疑うことになった。
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