第二十四章:無愛想さんと槍遣い

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「…その、なんつーか…」 子供たちをちらりと見る。 まだ無邪気に桜の花びらを捕まえようとしている。 『…子供たちが、どうかしたんですか?』 「……まぁ」 まだ、言うべき時ではないのかもしれない。 ここはとりあえず。 「今夜あたり、三人目に挑戦…ぐはっ!」 言い終わる前に、腹に拳をくらう。 菜緒の細い腕のどこに、曲がりなりにも武士であった原田を悶絶させる力があるのか。 「いや、違うんだ!嘘嘘!! …いや、全部嘘ってわけではなくて、そりゃ多少は…いや、多少どころじゃなくて、本当は凄くやりた……嘘ですごめんなさい」 菜緒のただならぬ空気を感じ取り、すぐさま平伏する。 憧れていた亭主関白とは、あまりにも程遠い。 菜緒の機嫌が落ち着いたところで、本当に言いたかったことを話した。 「…もう一度、京に住まないか?」    
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