第二章:武田観柳斎

12/20
1630人が本棚に入れています
本棚に追加
/403ページ
───── ── 「峯岸と話したぁ!?」 「そこまで驚くこともなかろう」 翌日、稽古に行こうとした原田を武田が呼び止め、昨晩のことを話した。 「そっ…それで、何か峯岸に…」 「いいや、昨日は眠かったようで、すぐに寝てしまった」 「(良かった!)」 自分の隊の人間が武田の妾(?)になるなんて、耐えられるものではない。 どうやって切り抜けたのかは分からないが、よくやった。 「だから、今晩にでも峯岸くんを迎えに行こうと考えている」 「生憎だが、今晩はうちの隊が見回りですよ」 「なんと…そうであったか」 武田のことだ、「なら明日の夜にでも…」とでも言うのだろう。 明日は何も予定がないから、きっとまた出向くに違いない。 「…なら、見回りの後に迎えに行こう」 「はぁ!?」 気が狂ってるんじゃねぇのか、このおっさん!
/403ページ

最初のコメントを投稿しよう!