第一章:とんでもない女

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『どこにいるのかは分からない…でも、二人とも京都にいることは確実なんです 姉はどこかの遊郭、父は京都で隠れて攘夷運動をしているらしいんです』 「今までの話の証拠は?」 刀の柄からも手を放し、峯岸を見る。 『ありません』 「…おい」 『僕が尊攘激派に見えますか?』 「な、何だ急に」 『見えますか?』 「…全然見えねーが」 『これが証拠です』 「………」 完全に何も返せなくなる。 話術でも身につけてるのか?と思わず疑う。 『二人を見付けるまで、ここから立ち去るつもりはありません たとえ隊長さん命令でも、従いません』 今までの峯岸とは違い、何かの決意を胸に、真っ直ぐ原田を見つめてくる。 『…駄目…ですか?』 ドキっと心音が一度響いた。 同時に、あることに気付いた。 もしここで追い出したら、俺は女に最低なことをしたことになるのか?と。
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