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「…少しでも不穏な動きを見せたら、問答無用で斬るからな」
ほっと峯岸から溜め息が漏れた。
「ただし、お前が女だってことは、俺とお前だけの秘密だ
他の連中に峯岸が女だってバレても、俺は助けねーぞ」
『はい、ありがとうございます、隊長さん』
本当に心から、初めて峯岸は笑った。
その笑顔を直視した原田は、バツが悪そうに「あー…」と何か言いかけると、ぷいと峯岸に背を向けた。
「じゃ…じゃあな、お休み」
『お休みなさい』
ちらりと振り向くと、まだ微笑んでいる峯岸。
慌てて正面を向いて、逃げるように自分の部屋へと向かった。
「(何だ、可愛い顔して笑えるんじゃねーか)」
いつもああだったらいいのによ、と一人原田は思った。
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