第二章:武田観柳斎

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翌日の見廻り。 原田は絶対に気まずいよなーなんて心配をしていたが、何てことはなく。 昨日の夜のことは嘘だったんじゃないか、と疑ってしまうほど、峯岸はいつもの通り無表情でぼーっとしていた。 「なぁ、峯岸はいつも…ああなのか?」 「ああ…とは?」 見廻り中、近くにいた隊士に峯岸のことを聞いてみた。 「だから、いつもあんな風にぼーっとしてるのか?」 「さぁ…多分そうだと思いますけど…」 「多分?」 その隊士曰く、峯岸はまだ隊に馴染めていないらしい。 馴染めていないと言うよりは、一人でいることを好んでいるように見える、とのこと。 だから皆、峯岸のことを注意して見ている人物など、いないのだ。 「…あ、そういえば」 何か思い出したらしい。
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