第二章:武田観柳斎

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「…どうも、武田さん」 返事が返ってきたことに満足したらしく、武田はニコニコと気味の悪い笑みを浮かべながら、更に近付いてくる。 こうなってしまったからには、もう逃げられない。 「時に原田くん、」 「は…い?(近ー!)」 武田は自然と原田の隣に、すすすと寄り添うように来た。 ぴと、と原田の腕に手を添える動作に、鳥肌が立った。 「君の隊の、峯岸くんのことであるが…」 「…!」 まさかこうも早く峯岸の名が出てくるとは思わなかった。 どんだけ峯岸を手に入れたいんだ、この変態。ド変態。 「彼は今、想いを寄せている殿方は存在するのかね?」 「と、殿方…!?(コイツ、男だけに絞りやがった…!) それはいないと思いますけど…」 「そうであるか」 ニヤリと笑う武田。 原田は顔面を殴りたい衝動に駆られた。
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