第二章:武田観柳斎

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「いいよな、彼は」 「………はい?」 冷や汗がたらりと垂れる。 早くこの状況から逃げないと、何かが感染しそうだ。 「少年らしい細い腕に、女でも滅多にいない汚れなき真っ白な肌 稽古で首元に伝う汗は、爽やかささえ感じられる 何より細い腰が」 「分かった分かった!もういいです、武田さん!」 うっとりとした表情で語る武田が、あまりにも気味が悪かった。 武田は弁舌(?)を途中で遮られて不快そうな顔をしたが、よほど峯岸を気に入ってるらしく、気にしていない。 「原田くん、峯岸くんの非番の日を教えていただきたいのだが」 「…流石にそれは、本人に直接聞かねーと分かりませんね 隊士一人一人の非番なんて、覚えられねぇっスよ」 「ふむ…」 武田は面白くなさそうな顔をしたが、何か閃いたらしく、ニヤリと笑う。
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