第十三章:菜緒と菜歩

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───── ── 「(どこまで行くんだ?)」 部屋をとるわけでもなく、二人は人通りの少ない、裏方のほうまで来ていた。 物が沢山置いてあるから、原田的には好都合なのだが。 そこで峯岸はようやく足を止め、手を放した。 「…先生、どうなされたんですか?」 遊女の口が開かれる。 距離は少し遠いが、声はここまで聞こえた。 峯岸は、じっと遊女を見る。 そして、口を開いた。 『…お姉ちゃんだよね?』 「(………え?)」 あの人が、 菜緒の探し求めていた、姉? 後ろからしか分からないが、確かに肌の白さは峯岸そっくりだ。 綺麗で癖のない黒髪も、よく似ている。 お姉ちゃん、と呼ばれた遊女は、目を見開いて固まった。 「……菜緒…なの?」    
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