第十三章:菜緒と菜歩

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『うん、峯岸菜緒』 「そんな…!」 峯岸の返事に、遊女、姉は驚嘆の声を出した。 「一目見たときからそっくりとは思っていたけど…、だって…、菜緒、何でここに…」 『探しに来た、お父さんとお姉ちゃんを』 「え…っ!?」 信じられない、と峯岸の手をがしっと掴む。 「何を考えているの、菜緒! そんなことで、長州から京にまで来たの!?」 『僕が小さい頃から自由に生きてること、お姉ちゃんも知ってるでしょ? 今までと同じように、勝手に京に来た』 「それとこれでは話が…」 何かを言いかけて、姉は急に黙り込む。 そして、冷や汗がたらりと頬を伝った。 「…菜緒、まさか貴方、新選組に入隊しているの…?」 『うん』 呆気なく返事をする峯岸に、姉はいよいよ開いた口が塞がらなくなった。
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