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『うん、峯岸菜緒』
「そんな…!」
峯岸の返事に、遊女、姉は驚嘆の声を出した。
「一目見たときからそっくりとは思っていたけど…、だって…、菜緒、何でここに…」
『探しに来た、お父さんとお姉ちゃんを』
「え…っ!?」
信じられない、と峯岸の手をがしっと掴む。
「何を考えているの、菜緒!
そんなことで、長州から京にまで来たの!?」
『僕が小さい頃から自由に生きてること、お姉ちゃんも知ってるでしょ?
今までと同じように、勝手に京に来た』
「それとこれでは話が…」
何かを言いかけて、姉は急に黙り込む。
そして、冷や汗がたらりと頬を伝った。
「…菜緒、まさか貴方、新選組に入隊しているの…?」
『うん』
呆気なく返事をする峯岸に、姉はいよいよ開いた口が塞がらなくなった。
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