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「あそこは男所帯なんじゃ…」
『だから男装してるの
バレてる人もいるけど、案外隠し通せてるよ』
「なんて馬鹿なことを…!」
峯岸の腕を、ぎゅうっと力強く掴んでくる。
「分かっているの、菜緒!?
新選組は幕府の犬、長州の仲間を殺しているのよ!
吉田さんやお父さんも、新選組に斬られて死んだ!
そんな野蛮な人殺し集団なんてすぐ辞めて、長州に帰りなさい!」
峯岸の姉の言葉が、容赦なく原田の心に突き刺さる。
実際、新選組は浪士だろうと殺してはいない。
捕えて捕縛する、というのが大まかな仕事だ。
あまりにも抵抗するときは斬り捨てるが、例は数少ない。
しかし、新選組は京雀から忌み嫌われている。
そのため、悪い出来事は全て新選組の仕業だという、根も葉もない噂が流れている。
長州人の彼女が、噂を信じるのも、無理もない。
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