第十三章:菜緒と菜歩

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『実際あそこは、お人好しさんが沢山居るだけなんだよ 僕が女ってこと一緒に隠してくれてる人や、感付いてても何も言って来ない人ばかりなんだ 変なところでお節介焼きで、自分より他の人の心配ばかりしてるんだよ、みんな 純粋に剣を愛し、剣で生きていこうって思ってるだけ 悪い人を探すほうが大変な場所なんだ、新選組は』 最終的には、説得と言うよりも、自慢のように聞こえた。 でも、原田は嬉しくて。 ただただ、嬉しかった。 菜緒が何も考えずに新選組にいたわけではない、という事実を知ることができたから。 姉はあまりにも峯岸が楽しそうにそう語るから、最初は呆然としていた。 でも、すぐに微笑んだ。 「…そう、菜緒が言うのなら、とてもいい人たちなのね」 姉の言葉に、峯岸は無邪気な子どものように頷いた。
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