第十三章:菜緒と菜歩

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「ところで、部屋からずっと後をつけられてた、あちらの先生はどなた?」 『え?』 姉が指差す方向に居るのは…。 「…俺か!?」 『…隊長さんでしたか』 隠密行動は何よりも苦手な分野だったが、一般人に見付かってしまうとは思わなかった。 見付かって声も出してしまったら、もう隠れているのは無駄だ。 バツが悪そうな顔を浮かべながら、原田は二人に近付いた。 「いや、別に覗き見しようとしたわけじゃなくて、ただ隊長として心配…心配なんてしてねぇぞ! いやいや、そうじゃなくて、菜緒が何かやらかしたんじゃねぇかと心配に…はなってねぇ!」 一人でムンムンと格闘する原田に、二人は顔を見合わせて、クスリと笑った。
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