第十三章:菜緒と菜歩

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「本当、菜緒の言う通り いい人ばかりね、新選組って」 「へ?」 訳が分からず峯岸を見るが、答えを教えてくれそうもない。 姉は一頻りクスクスと笑うと、品の良い笑みを浮かべる。 「初めまして、菜緒の姉の、峯岸菜歩(ナホ)です 妹がお世話になっています」 「お…えーっと、新選組十番隊組長、原田左之助だ 菜緒は俺の隊に所属している」 かしこまられて挨拶をされ、つい原田もどこぞの大将のように大袈裟な口調になる。 しかし、そこは峯岸の姉と言うべきか、気にしていないようだ。 「この子、こんな性格だからきっと苦労されてますよね ごめんなさいね、生まれつきなんです」 「いやいや、確かに驚かされることもあるけど、菜緒がいてくれて良かったって思うぞ」 精一杯褒めたつもりだが、当人は疑いの眼差しで見てくる。
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