第十三章:菜緒と菜歩

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「いや、あの!これは何つーか…そう、隊士!隊長として自分の隊の人間を守るのは当然で…」 「原田先生? 遊女に嘘は通用しませんよ?」 うぐ、と誰が見ても答えに困っている原田を、菜歩はくすりと微笑む。 「…本当、いい人に恵まれたね、菜緒」 『え?うん』 さも当然かのように返事をする峯岸に、菜歩は一度苦笑いを浮かべる。 それから、ちょいちょいと峯岸を手招きした。 『?』 峯岸は逆らわず近付くと、ぎゅうっと抱きしめられた。 菜歩は突然のことにぽかんとする峯岸の頭を、優しく撫でる。 「大変だったね、菜緒」 『…お姉ちゃん?』 あまりにも優しい声音の菜歩。 そこで、原田は見た。 菜歩が瞳に涙を浮かべていたことを。    
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