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「こんな子ですけど、根は優しい子なんです
どうか菜緒のこと、今後も面倒を見てあげてください」
「…ああ、分かってる」
優しくなければ、長州が目の敵にしている京にまで、一人で家族を探しに来ることはないだろう。
「菜緒は、何があっても俺が守るって決めたんだ
菜緒が側にいる限り、いくらでも面倒見てやる」
だから、ずっと俺の側にいろ。
きっとこの本当の意味は、菜緒は気付かないんだろうな。
「…ありがとうございます」
菜歩は、峯岸の肩を支えたまま、原田に近付く。
何だと思って見ていると、ぽんと峯岸の背中を叩いて、抱きつくような形にさせた。
混乱する原田の耳に、そっと菜歩は口を近付ける。
「言っておきますが、その子は簡単には落とせませんよ」
「!?」
「ふふっ…私は先に戻っていますね」
悪戯っ子のような笑みを浮かべて、菜歩は去って行った。
『…?お姉ちゃん何て…』
「い、いいから戻るぞ!」
峯岸の言葉の続きをかき消すように、ズガズガと歩く原田。
「(くっそー…姉妹揃って油断出来ねぇな)」
笑った顔も、よく似ていた。
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