第十四章:三条制札事件

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慶應二年、長月。 三条大橋西詰に立てられた高札が、引っこ抜かれ、鴨川に捨てられる事件が起きた。 その高札の内容は、長州の罪状と、朝敵を現す内容。 幕府は再び高札を掲げるが、それも引き抜かれる。 そこに、幕府の二度目の長州征伐の事実上の失敗が起きた。 今度はその高札の文面が墨で塗り潰され、引き抜かれ、そして踏み割られた。 幕府の威信を取り戻すため改めて立てるが、またやられる。 幕府の権威は、地に落ちた。 そして、この高札の監視に、新選組が選ばれた。 近藤などは幕府から頼られていると無邪気に喜んでいたが、見張りなんて体が鈍るだけ。 厄介な仕事を押し付けられただけだ。 ろくに働きもせず、金だけを貰っている見廻組にでも任せた方が、少しは為になると思うが。
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