第十四章:三条制札事件

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どうか菜緒のこと、今後も面倒を見てあげてください。 その菜歩の願いに、原田は側にいる限り面倒を見る、と誓った。 「(実の姉にも、面倒を見てくれと言われたんだ 最後までその願いを守り通すのが、武士ってものだろ)」 それは戦闘時だけではなく、こんな風に精神的に落ち込んでいるときにも言えることだと思う。 きっと菜歩も、それを望んでいるはずだ。 あの日以来、峯岸は暇を見付けては、菜歩に会いに行っている。 どうも事情を理解してくれた店主の計らいで、裏口から入ることを許されたらしい。 隊士たちの間では、あの峯岸に女が出来たと一時噂になったが、元々存在感が薄かったため、すぐに噂は流れなくなった。 そのため、峯岸は気兼なく会いに行けているようだ。
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