第二章:武田観柳斎

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───── ── その日の夜。 平隊士は大部屋で雑魚寝をするのが決まりで、勿論峯岸も例外ではなかった。 誰とも話さない峯岸は、寝る場所が自然と部屋の隅になった。 峯岸としては、そっちのほうが好都合だったが。 この日、いつものように仲の良い平隊士たちは話していて、峯岸は布団に潜っていた。 すると、遠くがしーんと静まり、近くにいた人たちはコソコソと小声で何かを話始める。 『………?』 無視を決め込もうとしていたが、やけに周りが静かになり、布団から顔を出す。 「おや…?そのまま寝ていても良かったのだぞ?」 武田観柳斎。 突然の男食家であり組長の彼の登場に、隊士たちは静まったようだった。 武田は寝巻き姿で髪を下ろしている峯岸を、じろじろと見る。 峯岸は相変わらずの無表情で、何を考えているのか分からない。 ぼーっとした表情で武田を見ると、やっと口を開いた。
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