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その日の夜。
平隊士は大部屋で雑魚寝をするのが決まりで、勿論峯岸も例外ではなかった。
誰とも話さない峯岸は、寝る場所が自然と部屋の隅になった。
峯岸としては、そっちのほうが好都合だったが。
この日、いつものように仲の良い平隊士たちは話していて、峯岸は布団に潜っていた。
すると、遠くがしーんと静まり、近くにいた人たちはコソコソと小声で何かを話始める。
『………?』
無視を決め込もうとしていたが、やけに周りが静かになり、布団から顔を出す。
「おや…?そのまま寝ていても良かったのだぞ?」
武田観柳斎。
突然の男食家であり組長の彼の登場に、隊士たちは静まったようだった。
武田は寝巻き姿で髪を下ろしている峯岸を、じろじろと見る。
峯岸は相変わらずの無表情で、何を考えているのか分からない。
ぼーっとした表情で武田を見ると、やっと口を開いた。
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