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それから、数刻後。
「…おい、菜緒」
『はい?』
原田が橋のほうを見ながら、峯岸に話しかけた。
その眼差しは、やけに鋭い。
「少し、橋の様子を見に行かねぇか?」
『え?でも、まだ連絡入ってないですよね?』
「まぁな…」
原田たちは、連絡係から指示を受けてから、速やかに現場に急行することになっている。
指示がない限りは、その場でじっと息を潜めるのが一番だ。
何かあったのかと、峯岸は原田を見上げる。
すると、原田は真剣な表情が一変して、面白いおもちゃを見付けた子どものようにニヤリと笑った。
「俺の勘によると、犯人はもうすぐ側まで来ている
妙な気配を感じるんだ
俺の言葉が嘘じゃなかったってことを、証明してやるよ
いいからついて来い、菜緒」
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