第十四章:三条制札事件

8/12

1630人が本棚に入れています
本棚に追加
/403ページ
───── ── 「物音立てるなよ…ほら、あれ見てみろ」 『………!』 橋の上に、不審な男が八人。 酷く酔っているようで、品の悪い笑い声をあげている。 やがて、男たちは制札の近くに来ると、何かを話し出す。 この距離からでは、あまり会話は聞こえないが、「幕府」という単語は聞き取れた。 「当たりだな」 この男たちが犯人で、間違いがないだろう。 さすが原田の野生の勘、と言ったところだ。 見張りの一人、橋本皆助という隊士は自然と立ち上がる。 西側の新井忠雄の率いる部隊へ知らせに行くためだ。 「橋本は知らせに行ったか…浅野の奴は、何をしているんだ!?」 浅野薫は、東側の大石鍬次郎率いる部隊へ知らせる役目を負っている。 しかし、どうしたことか、その場に鎮座したまま動かない。
/403ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1630人が本棚に入れています
本棚に追加