第二章:武田観柳斎

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『僕は純粋に寝たいんです 寝たいときに寝るのが一番だと思いますよ?』 「!!!」 挑発的な目に、ちょっとだけ口角の上がった口。 普通の平隊士なら怒鳴りつけて新選組から追い出すところだったが、こと峯岸だと変わってくる。 「(なんて愛くるしい…!)」 その声、その言葉、そしてその表情に、武田は悶えそうになるのを必死に堪える。 『ということで、おやすみなさい、武田先生』 峯岸は掛け布団の中にずぽっと戻る。 勝手に事を運ばれた武田だったが、一切不機嫌さが感じられない。 それどころか、清々しかった。 「(峯岸くんが、私を『先生』と呼んだ…!)」 最初は存在すら知られていなかったから、余程嬉しいらしい。 軽やかな足取りで部屋から出ていった。 「アイツ…どんな根性してるんだ」 武田がいなくなった部屋で、隊士たちはこそこそと峯岸の話をするが、本人は完全に夢の中だった。
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