第一章:とんでもない女

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「何だぁ?お前…」 原田の目線の先…先というよりは、遥か下、のほうが表現が適切だろう。 自分の隊の隊士に招集をかけ、全員を見ていた際に、'ソイツ'を見付けた。 「こんな奴いたっけか?」 見慣れない顔だった。 恐らく目立った活躍などしていないし、そもそも会話を交した記憶もない。 そして何より、その隊士は随分と小柄だった。 体つきもひょろいし肌も白く、長い髪は高い位置で結んでいる。 こんなに特徴的なら印象深く残るはずなのだが…。 『それなりに最初のほうからいました』 「そう…だっけか?」 まだ声変わりをしていないのか、男にしては高い。 その隊士にじっと見られる。 しかし、何ら感情は抱いていなそうだ。 「…もしかして、怒らせちまったか?」 『いえ、これっぽっちも』 「…そうか」 よりによって、原田が苦手な性格をしている。 悪い奴ではなさそうだが、隊に馴染んでいる様子がなかった。
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