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「何だぁ?お前…」
原田の目線の先…先というよりは、遥か下、のほうが表現が適切だろう。
自分の隊の隊士に招集をかけ、全員を見ていた際に、'ソイツ'を見付けた。
「こんな奴いたっけか?」
見慣れない顔だった。
恐らく目立った活躍などしていないし、そもそも会話を交した記憶もない。
そして何より、その隊士は随分と小柄だった。
体つきもひょろいし肌も白く、長い髪は高い位置で結んでいる。
こんなに特徴的なら印象深く残るはずなのだが…。
『それなりに最初のほうからいました』
「そう…だっけか?」
まだ声変わりをしていないのか、男にしては高い。
その隊士にじっと見られる。
しかし、何ら感情は抱いていなそうだ。
「…もしかして、怒らせちまったか?」
『いえ、これっぽっちも』
「…そうか」
よりによって、原田が苦手な性格をしている。
悪い奴ではなさそうだが、隊に馴染んでいる様子がなかった。
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