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『もう会えないなんてっ…そんなこと言わないでください…!
…っ…好きなんです!……大好きで、大好きでっ…大切なんです、隊長さんのこと…!
……ずっと、側にいてください…』
最後の方は、空気が抜けたように、声が小さくなった。
初めの印象は、あまり良くなかった。
女だと気づいたときは、何を考えているのか分からなくて、厄介なことに巻き込まれたと思った。
でも。
世話が焼ける奴だと気にかけるようになってから、少しずつ菜緒のことが分かるようになってきて。
そこから好きという感情が芽生えるのに、時間はかからなかったと思う。
「…当たり前だろ、約束したんだから」
ぎゅうっと、二度と離れ離れにならないように。
腕の中に閉じ込めるように、強く抱きしめた。
「大好きだ、菜緒」
不器用だけど、何よりも正直な言葉を。
大切なお前に贈ろう。
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