第二十三章:「大好きだ」

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『もう会えないなんてっ…そんなこと言わないでください…! …っ…好きなんです!……大好きで、大好きでっ…大切なんです、隊長さんのこと…! ……ずっと、側にいてください…』 最後の方は、空気が抜けたように、声が小さくなった。 初めの印象は、あまり良くなかった。 女だと気づいたときは、何を考えているのか分からなくて、厄介なことに巻き込まれたと思った。 でも。 世話が焼ける奴だと気にかけるようになってから、少しずつ菜緒のことが分かるようになってきて。 そこから好きという感情が芽生えるのに、時間はかからなかったと思う。 「…当たり前だろ、約束したんだから」 ぎゅうっと、二度と離れ離れにならないように。 腕の中に閉じ込めるように、強く抱きしめた。 「大好きだ、菜緒」 不器用だけど、何よりも正直な言葉を。 大切なお前に贈ろう。    
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