第二十四章:無愛想さんと槍遣い

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「ったく、本当に子供は無茶ばっかりするなぁ そう思うだろ?」 賛同を求めるため、原田は隣にいる、色白で髪の長い、小柄な女性に話しかける。 女性は、笑顔の原田とは対照的に、無表情だった。 『…自分で言える立場ですか?』 原田菜緒。 旧姓、峯岸菜緒。 菜緒は、呆れ顔で原田を見た。 『いつでも根拠のない自信に付き合わされる、僕の身にもなってくださいよ』 「う……そ、そりゃあ悪いけど…」 返す言葉に困り、原田は頭をぽりぽりと掻く。 その情けない旦那の姿を見て、菜緒は、自然と微笑んだ。 何も気にせずに。 菜緒の笑顔に、つられて原田も笑顔を浮かべる。 「…まぁ、いいじゃねえか! 今があるんだしな!」 一瞬呆気に取られ、菜緒は苦笑いを浮かべた。 『…もう、本当に調子いいですね 左之助さん』    
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