第二十四章:無愛想さんと槍遣い

8/8
前へ
/403ページ
次へ
『どこへでもついていきますよ 僕はずっと、隊長さんの側にいたいんです』 にっこりと微笑む菜緒の言葉に、偽りはない。 原田も嬉しさを隠すことなく、無邪気に笑った。 「…ばーか、今はもう隊長さんじゃねぇだろ?」 さら、と菜緒の髪を撫でる。 『僕にとっては、ずっと大好きな隊長さんです』 「…それ、反則」 こみ上げてくる愛おしさに素直に従い、菜緒と唇を重ね合う。 唇が離れても、子供たちに茶化されるまで、二人は微笑み合っていた。 どんなに辛いことが起きても、想うことはやめないで。 そうすれば、いつか。 激動の時代、幕末を強き意志で生き抜いた、短気な槍遣いと 初恋の人をただ一途に想い続けた、心優しき無愛想さん。 そんな二人の、ちょっぴり不器用な物語。              
/403ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1633人が本棚に入れています
本棚に追加