第一章:とんでもない女

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「お前、名は?」 『峯岸 直(ミネギシ ナオ)です』 「峯岸直…ああ、そうだ」 名前は聞き覚えがあった。 最初に名前を聞いた時、'なお'という名があまりにも女らしいな、と感じたのを覚えている。 漢字を見たときに、その疑いは晴れたのだが。 「悪かった、今はっきりと思い出した」 『ありがとうございます』 「さて、他の連中は、と…」 峯岸の名は、この場で以後話題に出ることはなかった。 ───── ── 「…以上、十番隊からも特に不審な者は出ませんでした」 「そうか、報告ご苦労」 副長・土方歳三に各隊の隊長は報告を終えた。 ちなみに今この部屋には、幹部が全員揃っている。 局長である近藤勇も、今は内部を固めることが重要だと判断したようで、顔を出していた。
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