第一章:とんでもない女

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原田は自分の所定の位置に戻ろうとしたとき、ふとあることを思い出した。 「土方さん、峯岸直…って奴は、いつ頃から新選組に入隊したんだ?」 「峯岸…?」 「髪が長くて、小さい奴だ」 「…ああ、アイツか」 土方は心当たりがあるようだ。 「以前人手が足りなくて、大人数を一気に入隊許可したことがあっただろ? 確かあの時、妙にチビな奴がいたのを覚えている」 「峯岸は腕のはどうなんだ?」 「さて…あんまり印象がねぇから、可もなく不可もなく…つーところなんだろうな」 「はぁ…」 土方も特に印象がないのなら、どういう人物かも分からない。 「峯岸がどうかしたのか?」 「いや、これといったことは」 失礼と続けると、自分の位置に戻った。
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