第一章:とんでもない女

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その後諸連絡も終わると、解散となった。 親しい友人でもある二番隊組長の永倉新八が、原田の元へ来た。 生粋の江戸っ子で情が熱く、松前藩の脱藩浪人だった。 剣の腕は相当なもので、神道無念流を使う。 「今から道場に行くんだが、左之もどうだ?」 「ああ、行こうぜ」 返事をすると、二人は道場へ向かった。 ───── ── 『あ、すいません』 「おう、悪ィな……あ、」 道場からちょうど出てきた人物とぶつかり反射的に謝ったら、峯岸だった。 「稽古やってたのか?」 『はい』 「どうだ、調子は」 『さぁ…ボチボチじゃないですかね』 「…そうか」 原田は「良かったです」か「今日はあまり調子が…」という答えを予想していたため、またしても会話が途中で途切れた。
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