第一章:とんでもない女

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「(くっそー…こりゃあ、明日までに酔い覚めねぇな…)」 屯所に着くまでに、奇跡的に浪士とは出会わなかった。 時々壁に激突しそうになりながら、自分の部屋に向かう。 視界に誰か入った気がするが、気にかける余裕もなかった。 「おっと…」 再び足元がフラつき、必死に体を支えようとする。 しかし、それは叶わず、体が徐々に壁際へと向かう。 「おわっ!!」 壁に頭を強打し、さすがに酔いが覚めた。 いててて…と漏らしながら額を摩っていると、自分と壁の間に人がいることに気付いた。 「(ん?何だ、この感じ…)」 その人物は、男所帯では味わえないと思っていた、柔らかい肌をしていた。 肩幅も自分より異常なほど狭い。 『…隊長さん、無事ですか?』 「みっ…峯岸!?」 いつもの峯岸の無表情な顔に、わずかな驚きと盛大な呆れが混ざっている。 しかし、今の原田には、そんなこと重要ではなかった。
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