~その、暗き森に咲く花に~

5/5
前へ
/59ページ
次へ
ハルルに着くと、予想通り賑やかな光景が広がっていた。 ハルルの樹が常時開花するようになってから、この街はいつもこうだ。 以前ののどかな雰囲気は微塵もない。 エステルは、 「ちょっと、なんか違いますね」 と言いながらもここに住んでいる。 「あれ、リタ?それにユーリも……」 どうやらお姫様の登場らしい。 ラフな格好をしたエステルは、いつ見ても慣れない。 どう見ても似合ってないのだ。 「いらっしゃい。二人とも、今日はどうしたんです?」 「ま、まあ……暇つぶしよ」 「そうなんです?」 「いや、リタがどうしてもエステルに会いたいって言うからな。俺は研究に集中したほうがいいって言ったんだが」 「ちょっとあんた、勝手に嘘いわないでよ!!逆でしょ逆!!」
/59ページ

最初のコメントを投稿しよう!

141人が本棚に入れています
本棚に追加