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「よいしょっと……カロル、これで全部か」
「あ、うん! ありがとユーリ」
「気にすんなって。でもこれなんの為に使うんだ?」
「それを言ったらお楽しみがなくなっちゃうよ。でもユーリには言ってもいいかな」
「へえ……なんだ?」
ダングレストの酒場裏で、
青年と少年が話していた。
青年の名はユーリ。
ギルド、凛々の明星の一員にしで星喰み゙を食い止めた者達の一人だ。
少年の名はカロル。
凛々の明星の長である。
ちなみに、ギルドの中では一番年下だ。
「ゴニョゴニョ……」
「ふん、ふん……へえ、いいじゃねえか」
「ほんと!?」
「ああカロル先生にしてはなかなかいい線いってるんじゃないか」
「えへへ……」
最近では貫禄というか、威厳みたいなものがついてきたと、ユーリは思った。
「それじゃ俺はそろそろザーフィアスに戻るかな」
「え、もう行くの?」
「ああ、お姫様とフレンに呼ばれててな」
「そっか…またね、ユーリ」
カロルと別れたユーリは、
すぐにダングレストを発った。
「またザーフィアスまで戻るのか……」
魔導具の無くなった世界では、
魔物達のはびこる街の外は危険だ。
「ま、選んじまったからな」
そう言ってユーリは走り出した。
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