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「あー、ちょっと待って!!」
「……ん?」
トリム港に着くと、
ユーリは自分を呼ぶ声で足を止めた。
「き、君、ユーリ君だよね」
「あんたはたしか……"幸福の市場"の」
「そう、トクナガ。覚えていてたとはね」
「まあ……一応。で、なんか用?」
「これをリタ・モルディオに届けて欲しいんだ」
トクナガが取り出したのは、
ぶ厚い学術書だった。
表紙には………
(読めない……)
わけのわからない単語だ。
中身を見るのは諦めた。
「にしてもなんで俺に?」
「輸送手伝業者が怖じけづいちゃってさ。ほら、今ハルルの近くには凶悪な魔物がいるらしいし」
(だからって俺一人でできるのかね…)
学術書を受け取ったユーリは、
ハルル近くに住むリタの家へと向かった。
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