~その、暗き森に咲く花に~

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家を一歩でも出ると、さすが森の中というか、某先生の身長ぐらいの高さの草が繁っている。 「そういや、あんたたちギルド解散しちゃったんだって?」 「ん、まあな。カロル先生が『凛々の明星の力だけじゃ、この世界は救えない』だか言ってな」 「ガキんちょのくせにかっこつけちゃったわけね」 「はは、違いねえ」 ギルドが解散したのはカロルのせいじゃない。 魔導具がごっそり消えてなくなったことはやはりテルカ・リュミレースにとって辛いものらしく、混乱続きだったのだ。 先のレイヴンの件があったせいで凛々の明星はあまり動けなかった。 それではいけないと思ったのだろう。 「ギルドの解散は残念だが、一番悔しいのはやっぱりカロルだろうな」 「そうね。ガキんちょ並にがんばってたもんね」 「それでも決意したカロル先生はたいしたもんだ。今は"天を射る弓"で頑張ってるんだとよ」 「ってことはおっさんも?」 「いや、おっさんは一人でなんかやってるらしい。あれからまた消息が掴めないみたいでな、フレンが泣いてたぜ」 「ふぅん。またどっかでぶっ倒れてるんじゃないの」 ひどい言いようだ。
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