424人が本棚に入れています
本棚に追加
「ちょっとちょっと。お兄、色々と忘れてない?」
「えっ?…あっ!!」
僕は気付いた。顔や歯を洗っていない事を…。まだ時間に余裕があるけど、僕は急いで洗面所に行く。
「こんな状態で行くと笑い者にされるだけだ…しっかりしろ想!!」
「朝から気合い入ってるね?」
美咲が洗面所に来た。僕は嗽(うがい)をした後、歯ブラシに歯磨き粉を付け、歯を磨く。
「大丈夫だって!お兄が櫻の杜学園に転校してくる事は生徒全員が知ってるよ」
それを聞いた僕は少し楽な気分になった。歯を磨き終わり、僕は顔を洗ってタオルで顔を拭いた。
「ふぅ…少し自信がついたよ。とにかく今日は頑張るぞ!!」
「今日はじゃなくて、今日からでしょ?お兄、先に支度して玄関で待ってて」
美咲に言われた通り、僕は茶の間に置いてある鞄を取りに行き、担いで玄関へ向かった。
「先に靴を履いとくかな。……よし、後は美咲が来るのを待つだけだ」
「待たせたな!なんちゃって。よいしょっと……行こっか?」
僕と美咲は家を出る前に【行ってきまーす】と声を掛けて家を出た。今日から新しい人生のスタートである。
最初のコメントを投稿しよう!