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「今……なんて言った?」
永遠に続くかと思われた静寂をなんとかして壊そうと、俺は緊張で高鳴る胸を押さえながら、恐る恐る口を開く。
いつ放たれるかわからないSUPASの前に、俺の額からは大粒の汗がダラダラと流れていた。
「ん? だからサバゲーよ。サバゲー。男子はみんなこうゆうの好きでしょ?」
少女は構えたSUPASを少し揺らしながら
「あと、私の方が年上だから」
と付け加える。
そんな彼女の上履きを見ると……なるほど、赤い上履きを履いている。つまりは二年生ってわけだ。
この学校は一年が緑、二年は赤、三年は黄色で見分けがつくようになっているからな。
俺はとりあえず謝罪の意味を込めて「スイマセン……」と頭を少し下げて謝ると、少女は「よろしいっ」と言ってSUPASを肩に担いだ。
「それで、キミはサバゲー好き?」
「えっ、あっ、まぁ、本格的なのはやった事ないですから『好き』とは言い切れないですけど……好きって言えば好きです」
「ふ~ん……、一回やらせてみてから入部させるって方法もいいかもしれないわね……」
おい、一瞬『入部』って単語が聞こえたぞ。
俺はやや訝しげな視線を送っているのを余所の、少女は顎に手を置いて熟考している。
……弱ったなぁ、俺はこの学校で一・二位の人気を争う『帰宅部』に入部しようと思ってたんだが……しょうがない、当たり障りのないようにお断りさせて頂くか。申し訳ないけど。
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