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「キミ、名前はなんて言うの?」
「あっ、芽藤誠司です」
「芽藤君ね。私は部長の狩野猟子。よろしくねっ、芽藤君」
「はい、こちらこそよろしくお願いします」
「それじゃあ行こっか! ツレに一時半に一回、中間報告として玄関に集まるように言っておいてあるからさ!」
お父さんあれ乗りたい! という感じに俺の手を引っ張る先輩を前に、俺は理科室に掛けられた時計に目をやる。
ふむ、パッと見一時二十八分と言ったところか。走れば余裕で間に合う時間だな。
「そうですか、それじゃあダッシュで行かないとですね」
「うん! だから……行こっ!」
「うぉ……っとと」
俺の手を握ったまま理科室を飛び出そうとする先輩に、俺は少しバランスを崩しそうになりながらも慌てて体勢を立て直して後に続く。
狩野猟子先輩……か、いい名前だな。
……そういや、今朝の占いでは「素敵な出会いがある」とか言ってたっけ。
占い、メチャクチャ当たってんじゃん。
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