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時を同じくしてカリヤは王国にいた。
「では、少女は逃がしてしまったのか。やむをえん。私が前線にでる。カリヤ隊は出発できるよう準備しておくように。」
カリヤは王国での軍事を任されており、誰からも信頼されていた。
「カリヤ様。王女様がお呼びです。」
「王女様が?わかった。」
王女様はいつもの中央の搭にいるだろう。
走ってそこを目指した。
「あら、カリヤ。」
「お呼びでしょうか?王女様。」
豪華な椅子の上にちょこんと座っている姿はまるで人形そのものだった。
王女様は私の命の恩人だった。
「ここにはもう慣れました?どれくらい立ちましたかね。」
「拾われたのはもう二年前です。王女様が助けてくれなければ私は今ここにいないでしょう。」
王女様が言うには私は昔、魔物かなにかにやられたらしいが、どうしてそうなったのかさえ、私にはわからなかった。
なぜなら王国にくるまでの記憶が私にはないのだから。
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