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「どうした!守ってばかりでは勝てないぞ!」
零は一方的に防御を強いられていた。
(なんだ、この一撃。本当に女の腕力か?刀を交える度に一気に体力を奪われる・・・)
さらに零はカリヤとは違い、真剣を持った事がないのもこの状況を作り上げた元凶でもある。
あきらかな経験不足だった。
だが、持ち前の反射神経で攻撃を防ぐ事ができていた。
「くそ!」
零は一度距離を開けて再び大きく振り構え飛び掛かる。
体の体重も武器に変えてカリヤに攻撃を仕掛ける。だが、
「あまいな!」
最小限の動きでカリヤにかわされる。そしてカリヤはそのまま足を軸にして回転する。ついに、
「ぐあああ!」
背中に一太刀いれられてしまった。
あまりの痛さに膝をつけ倒れる。
痛ぇ。体を斬られるってこんなに痛ぇのかよ。
こんなとこで終われないんだ。
再びよろよろと立ち上がる。
だが、突破口がない。相手は戦闘のプロ。体育の時間でやる剣道とは違う。
一瞬の判断が命取りになる戦場であると零は理解していた。
「次で終わりにしてやる。心配するな。殺しはしない。」
すばやい動きでカリヤは近づいてくる。
駄目だ。ここでやられたらなにも守れない・・・俺にも魔法が使えれば・・・
カリヤさんに勝たなきゃ、
少女を、パージャを守れないんだ!
その時、お守りが光りだした。
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