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「なぜだ・・・なぜ殺した!」
私は目の前にいる敵を倒そうと必死にもがく。
それは無駄だった。
私に突き刺さるこの魔封剣はどうやっても取る事が出来なかった。
私の体に何十本と突き刺さっているこの剣は痛みこそないが私の自由を奪う。
「彼は人と共に歩もうとした!お前達人間を信じた!それなのに・・・なぜ殺したのだ!リィン!」
私をこうした奴の名前を叫ぶ。
リィンはただ悲しそうな目をするだけで冷淡に話した。
「あなた達が危険だからです。一週間前の町や森を覚えていますか?一億を超える軍隊を覚えていますか?たった一週間。その短い時間であなたは人が何世紀に渡って作り上げたものを壊したのです。」
辺りを見渡せばたくさんの人、人、人。
だが、その半数以上は既に息はなかった。
たった一人の彼女によって。
「それに・・・この方法しかなかった。非常に残念です。友をこの手で封印しなければならないとは・・・」
リィンは彼女に突き刺さっている剣と似た剣を作り出しそれを構える。
「リィン・トゥルースの名においてここに示す。輝かしきは太陽。沈みしや月。決して交わらずが理。狭間に沈みて天を仰げ・・・」
そして彼女に突き刺さる魔封剣が神々しい光を放つ。
「ぐっ・・・リィン・・・貴様!天魔封印だと!」
「せめて安らかに眠って。《パージャ》。」
リィンの足下に巨大な魔方陣が現れリィン全体を包み込む。
『陽羅封月』
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