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同じ時を刻む並列した世界があった。
その名前は地球。
「ねぇねぇ。聞いた?近頃、行方不明者続出事件。こないだまたいなくなったらしいよ。」
空、快晴。雲はなし。気温は30℃の夏真っ盛り。まるで屋上はサウナのようだ。
「ねぇ。聞いてる?零君?」
俺は暇なときよく来る。 あっ。まだ言ってなかった。俺は高校2年の二宮 零(にのみや ぜろ)。嫌いなのはうるさい幼なじみと腐れ縁と勉強。好きなのはスポーツと・・・
「あっ、幼女。」
「えっ?どこだよ?」
・・・女の子?
「いないわよ。そんなの。ちゃんと聞いてなさいよ!この近くで行方不明者が出たのよ。」
「ふーん。ヘェーそうですかっと。」
「全然どうでもいいって顔してるわね・・・」
ついでにこのしかめっ面の似合う奴は藤堂 沙耶(とうどう さや)。弓道部所属で俺をとやかくうるさく言うのが好きらしい。
「ん?なんか言った?」
「いーえ。何にも?」
ついでに地獄耳っと。
「はぁ、もういいわ・・・あんた、まだここにいるんでしょう?私、部活あるから行ってるわよ。」
「おーおーいってら。」
ひらひらと手を振ってやる。
今日もいつもみたいに終わっていつもと同じように過ぎていく。そう思っていた。
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