初めて見た世界

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「零!バスが来た!早く乗らないと!」 「よしわかった。」 女性を見る。 こんなところに見捨てるわけにはいかないか。 女性に手を差し伸べる。 「とりあえずこっちへ!」 「は、はい。」 女性はぎこちなく立ち上がり零の手をしっかりつかんだ。 そしてどうにかバスに乗ることができた。 「とりあえずここまで来れば一安心か。あ~疲れた。」 バスのなかには零と沙耶と女性の三人だけだった。 「あ、危ないところを助けていただき、ありがとうございます。お礼といってはなんですがこれを。」 女性は頭を下げ、二人にカバンの中のものを渡した。それはお守りだった。 「それはあなた達をきっとみちびいてくれるはずです。」 「い、いや別にお礼なんていらないっスよ。」 「そうですよ。それに私はなにもしてないし。」
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