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そんな態度に憤慨する天狗姫ですが、河童がまあまあと笑顔で宥めます。
「円満解決でよろしいじゃないですか」
「どこがよっ! 東海道くんだりの旅までしてこんなことって」
「楽しいのが一番ですぜ、姫」
暢気に達磨までが言うので、天狗姫は頭から湯気がでそうです。
ですが、それを遮って河童がやはり浮かれながら言います。
「ここは一つ。お伊勢参りをして帰りましょう」
「河童……あんた」
眉をぴくぴくさせる天狗姫に、すかさず半蔵が耳打ちします。
「子宝に恵まれるやもしれませぬぞ?」
「!!っ」
そんなことを言われては、さすがの天狗姫。にんまりとほくそ笑み、先頭だって歩きだしました。
天狗衆に半蔵と兎を加えた一行は、お伊勢参りと帰路の旅へと行くのでした。
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