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皮を剥がれるような痛みが全身を駆けた。焼き付くような痛みが目玉を中心に、全身へ波状のように広がる痛み。
痛みに目を覚ます。いや意識は初めからあった。首を切られたと理解したのは、もう不気味なくらいに死の淵とギリギリだった。
そう僕は死んだのだ。確実に、一度は死んだのだ。無の広がる、言葉では顕せないような世界に僕は逝った。
しかしどうだろう。僕は再び、この世に降り立った。自らの血溜まりに沈んだ体に、僕は舞い戻った。
冷たく冷えた躯。死後硬直の始まり掛けた肉体は、まるで鋼のコーティングを施された状態で海に入っているようだった。
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