非日常的な日曜日

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血に染まった体を見てみる。確かに僕の血だ。覚えている。自分が死んだことを。血飛沫。血柱。尖った歯。赤く染まった爪。 全部、覚えている。自分が死んだこと。殺されたこと。見下されてた目。存在自体が死の塊であるかのような漆黒の男。止まった心臓。走る冷たい血液。全て覚えている。 でも僕は生きている。理由は――僕の正体が半不死者だからだ。ゾンビ或いはリービングデッドといえば不死者もとい歩く死者の代名詞として使われがちだが、アレの定義は初めに死んでいる事が前提だ。 僕の場合はニアデス、死に損ないとでもいうのか。ターミナル《三途の川》から何度でも戻れる――いや戻される存在。 それが僕、ニアデス。  
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