浅葱色の羽織

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「止まれ沖田総司ィ!!」 大男の怒号が飛ぶ。 沖田はチラリと大男を盗み見ると、表情が驚愕の色へ急変した。 「貴様がそれ以上動けばこの小娘の命は無いと思え」 大男の広く、汚らわしい手はガッシと娘の黒長髪を掴んでいた。 痛みに表情を曇らせる娘。 その細い首筋には小刀があてがわれている。 大男は勝利を確信し、ニタリと頬の筋肉を歪ませた。 「へぇ……。 居たんですか。土方さん」 「――ッ!?」
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