1880人が本棚に入れています
本棚に追加
ベンチに座る。足を組む。ちらりと見る。不機嫌な様子は無い。
オッタも子供のようにちょこんと、老人のように落ち着いて座る。
「しっぽ痛くないの?」
「大丈夫ですよ」
光景は奇妙だ。
何から質問したものか。見たままを聞く。
「紳士的ね。コーディネートは自分で?」
「町の皆さんがよくしてくれます」
「いい町ね」
「はい、とても。コミカナさんもすぐに好きになりますよ」
「そうね。プライベートだけなら最高なんだけど。別荘が欲しいわ」
海の方を見てはつい遠い目になってしまう。
「リンゴ四つ。食事はそれだけ?」
「ミルクと卵は届けていただいています」
「パンは?」
「マスターはパンが嫌いなのです」
一応、メモを取る。
最初のコメントを投稿しよう!